資産運用の基礎


ここでは資産運用の基本的な知識を身につけるための書籍を紹介していきます。

中には、すでに資産運用を行っているので知識はあるという人もいるでしょうが、ちまたにあふれる個人向けの本というと株式投資やFXの成功談レベルの本がほとんどです。

大規模な金融機関の資産運用業務で活用できるものはほとんど目につかないため、かなり偏った知識になりがちです。

ここでは、金融機関の資産運用のための基本的な知識がみにつく入門書をご紹介します。(ただし某企業で推薦されている本は、難易度が高いものが多かったので、個人的なおすすめが多くなっています。)

資産運用の幅を広げ、いろいろな商品やマーケットの基礎を身につけることができるので、資産運用業務に従事しない人にもおすすめできます。

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1.藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義


本書は、金利や為替の仕組みや、マーケットの仕組み、基本的な用語を身につけるには一番適している本だと思います。

話がおもしろいので読みやすく、かなりの範囲をカバーできています。よくまとめてあるなーと思います。

まったく知識がない人には、多少難しい部分もあると思いますが、大学生~若手サラリーマンで知識がない人は是非読んでおきましょう。


2.債券取引の知識


個人レベルでは、資産運用といえば、今では株かFXが主流になっていますが、金融機関の資産運用の基礎は債券です。

マーケットの規模でも、株式を大きく上回っていますし(簡単にイメージするなら国の借金の額を想像してください)、超長期の資産運用にもマッチしやすい商品があります。(最近では40年国債もそこそこの規模になっています。)

そして、国債の金利は、安全利子率として時価評価に使われたり、銀行の貸出金利に影響したりと、さまざまなことに直結してきます。また、社債の金利は、マーケットのその企業に対する健全性の評価そのものです。

このように、債券は企業にとって非常に重要なのですが、取引が特殊(相対)な部分も多く、基本的な仕組みから取引の知識まで知っている人は、ほとんどいません。

本書は、債券の本にしてはめずらしく基礎的な部分のみをおさえた入門レベルの本です。債券の仕組みは企業運営にとって必須であり、資産運用の基本なので、ぜひ本書程度の知識は知っておくべきだと思います。また、金融機関で資産運用に関係する、関係したいなら、必ず本書程度の知識はおさえておくべきです。


3. 外国為替の知識


為替は、個人ではFXとして流行していると思いますが、資産運用やグローバルな企業における商取引でも非常に重要なことです。

リーマンショック以降の超円高で、(赤字になったためか)為替レートがかわることで企業業績が大きく変わるということがとりざたされたので、為替がグローバルな企業に業績に与えるインパクトはイメージしやすいと思います。

また、資産運用においても外物での運用においては非常に重要な要素になってきます。特に金融機関の資産運用では、規模が大きいため、数%(正確には数BP)の差がその企業の評価に直結することもあるからです。

個人向けでは、最近よく見かける利回りが高そうに見える(オープン)外債:新興国の国債など は為替レートの変動によっては大きな損失をこうむる可能性があります。

では、このように重要な為替ですが、基本的な知識や仕組みを知っている人がどれだけいるかというと、実際にはほとんどいません。

本書は、知識面や過去の出来事をかなりカバーしており、入門レベルではありますが、ビジネスマンや個人投資家が基本を身につけるための本としては相当おすすめできます。

また、決済の仕組みなど金融機関のサラリーマンがおさえておくべき知識も網羅されています。金融サラリーマンであれば、本書の知識レベルは絶対にあった方がよいので、よく為替はわからないという人は読んでおくことをおすすめします。


4.デリバティブ・証券化商品入門―金融マンのためのこれ1冊でわかる

本書はデリバティブや証券化商品の入門書として、某企業で推奨されているものです。

金融機関の資産運用でデリバティブを使っていないということはほぼありえません。また、証券化商品をまったくもっていないということもほぼないでしょう。(どこも国内のRMBSくらいは持っています)

こういった商品では商品選定からリスク管理において、基本的な知識がないと業務がまるでできません。一般的なストラクチャーや、デリバティブの仕組みを理解できる人自体少ないので、金融機関でこのような知識がある人はかなり重宝されているのが現状です。

また、グローバル企業でも、為替のヘッジは業績に直結する部分なのでデリバティブの知識がある人はかなり重宝されるのではないでしょうか。また、うまい話に惑わされて変なオプションを金融機関に買わされてしまうことも回避できると思います。

本書はかなり広い範囲をカバーしつつも、基本的な知識がない人が読んでもストレスが少ない作りになっており、非常に良書だと個人的に思います。金融サラリーマン以外でも、資産運用をする個人や、大企業勤務のサラリーマンは読んでおいて損はないと思います。


5.ヘッジファンド運用入門


ヘッジファンドというと、名前は聞いたことがあるという人レベルの人がほとんどでしょう。だいたいの人は、マネーゲームするわるいやつらという意味不明な印象を持っており、ショートロングやらグローバルマクロといっても、話が通じる人はほとんどいません。

さて、では金融機関ではというと、証券系ではファンドを運用したり、それ以外でもヘッジファンドに投資していることは普通ですね。年金の運用者も資金を一部振り分けることは普通になってきています。(カリフォルニア州のカルパースあたりは顕著といえます。)

ヘッジファンド投資の基本は「わからんもんは買うな」だと思っていますが、知識がなければ「全部買わない」になりがちです。ヘッジファンドは個別性が強く、戦略の理解と選定が難しいのですが、リターン(αの部分)が高いものも多いため、基本的な知識を身につけている人は、上のデリバ・証券化と同様かなり重宝されています。

金融で資産運用を希望する人は、ぜひ読んでおきましょう。本書は、入門レベルではば広くカバーしており、おすすめできます。

6.外国人投資家


日本の株式市場で、外国人投資家の売買はいつも上位にはいります。
株式は、買われれば上がるものであり、売買上位者の動向や意思決定というのは非常に重要です。
(新興市場では、個人投資家が上位のなるので、その売買動向をチェックしておけば流れがおおまかにつかめるのと同様です。)

最近は、個人投資家でも外国人の寄付前の注文状況を見る人も増えていると思いますが、その原因である外国人投資家が意思決定する際に見るポイントなどをおさえておくことは非常に有用です。

特に、日本の金融機関の意思決定とは違う部分が多いです。重視するポイントを広く理解しておくのは有用ですし、役に立ちます。

投資主体について書かれた本は少ない中、特徴がしっかりと書かれているのでおすすめできる一冊です。特に日本株をやる人は、一回読んでおきましょう。

7.証券アナリストのための企業分析(第3版) 


最後に、株式用の入門書です。

個別の株式業務では、実際に訪問してヒアリングなどを除けば、事務的な処理と財務分析などが主要な業務となってきます。

この本は、かなり前に某企業で推奨されていましたが、今でも十分に財務分析などに使うことができます。
より専門的にやりたい人には、新・証券投資論Iなどをはじめから読むのがおすすめですが、難易度は高めです。

まずは、という方や若手層には、本書の方が向いていると思います。



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